幽霊屋敷と呼ばれた借家の実験
どんな伝承か
家を新築して懲りた著者は、また借家住まいに戻り、四谷区で宇垣一成大将が住んでいた家を探し出して移った。家主が小学校時代からの友人だったので、十間もある家を月八十五円で借りることができた。古い家で屋根は崩れ土台は腐り、庭の草木が伸び放題なので、近所では幽霊屋敷と呼ばれているという。もっとも、毎晩そこで心霊実験を行い、物質化現象として幽霊が現れるのは事実だと著者は書く。宇垣大将が馬を入れていた馬小屋を改造した書斎は、娘夫婦と孫に占領されてしまったともいう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・1955年(昭和30年))
『私の心霊術』は、長田幹彦が昭和三十年に著した心霊研究の随筆集である。死後に残る霊や地獄・極楽をめぐる考えを述べ、熊本の家系や安達謙蔵との交わり、東京放送局の文芸顧問だったころの回想、霊友会など戦後の新興宗教への批判、前著『霊界』への反響と自らの信仰を語る。「心霊科学の来世観」「霊界の構造」「ぼくの信仰」などの章からなり、末章「ある霊媒の生態」では霊媒服部との実験とそのトリックの顛末を描く。