高熱の枕辺に現れる菊池実隆霊
どんな伝承か
肺炎で高熱を出した著者は幻視幻聴に苦しみ、今夜もまた八度以上に上りそうだと家人が顔ばかりのぞき込む有様であった。そのとき著者の背後にいる菊池実隆霊がいつものように現れ、もう大丈夫だから心配する必要はないとしきりに激励を送ってくれたという。今夜は実隆の手がばかに白く、目もいつもより大きく開いている。彼が現れると著者はいつも頭痛がなおってしまう。ほっとしてもう一度ペニシリンを打ってもらい、これで峠を越すらしい、ありがたいことであると書いている。霊界は記憶の生きている世界であるから現世の繰り返しである、というのが著者の思索であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・1955年(昭和30年))
『私の心霊術』は、長田幹彦が昭和三十年に著した心霊研究の随筆集である。死後に残る霊や地獄・極楽をめぐる考えを述べ、熊本の家系や安達謙蔵との交わり、東京放送局の文芸顧問だったころの回想、霊友会など戦後の新興宗教への批判、前著『霊界』への反響と自らの信仰を語る。「心霊科学の来世観」「霊界の構造」「ぼくの信仰」などの章からなり、末章「ある霊媒の生態」では霊媒服部との実験とそのトリックの顛末を描く。