近江の安義橋に棲み人を食う鬼
どんな伝承か
『今昔物語集』巻二十七には鬼の話が多い。第十三話の「近江国安義橋の鬼、人を食う語」を始めとして、人が鬼に出会い、その鬼に食われてしまうという話が続いて収められている。近江国の安義橋に棲む鬼もその一つとして名が挙げられているが、ここでは話の題が紹介されるだけで、鬼の姿や出会った人のことは語られていない。
原典より
更に、この巻二十七には第十三話の「近江國安義橋鬼、瞰人語」を始めとして、数多くの鬼が登場し、人間はその鬼に逢い、鬼にくわれるというような話が連続する。—— 日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路)
『日本の幽霊たち――怨念の系譜』は、阿部正路が書きおろした日本文学の幽霊論で、刊行は日貿出版社が手がけた。『竹取物語』『源氏物語』『平家物語』などの物語、『日本霊異記』から『遠野物語』『聴耳草紙』に至る説話、能と歌舞伎、さらに三遊亭円朝・泉鏡花・森鴎外・小泉八雲らの近代の作品に現れる幽霊をたどり、怨念の系譜として読み解く。第一章で幽霊の時・季節・姿・場・目的を論じ、終章で稲生屋敷の物怪や百鬼夜行など幽霊の周辺に及ぶ。