山県玉江の千里眼
どんな伝承か
『心理時報』の千里眼可能者名簿の十七番目に、山県玉江(二十)がある。住所は和歌山県海草郡黒江町、小学校訓導山県広三郎の夫人と記され、動機は「郁子夫人を模倣す」とある。長尾郁子を模倣したとされる者は名簿に少なくなく、淡路洲本町の柳いづゑ、静岡県の伊藤米吉、東京京橋区の千葉三耶治らが同じ動機で挙げられている。郁子の評判が各地の女性や教員層にまで及んでいたことがわかる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・1919年(大正8年))
『心霊哲学の現状』は、高橋五郎が大正八年に著した心霊研究の概説書である。英国のロッジが戦死した子レイモンドの霊と交わした冥界通信をはじめ、欧米の交霊術と霊媒の実例を訳して紹介し、日本の催眠術と千里眼の流行、御船千鶴子・長尾郁子の事件、霊光や念写までを論じる。篇と章に分け、心霊哲学とキリスト教、クリスチャン・サイエンス、淘宮術との関係や、太霊道など国内の霊術諸派も取り上げ、ところどころに評註を添える。