石ヶ谷豊吉の千里眼
どんな伝承か
『心理時報』の千里眼可能者名簿の十九番目に、石ヶ谷豊吉(四十二)がある。住所は静岡県安倍郡美和村大字滝ヶ谷、薬師堂の堂守と記され、動機の欄には「不動尊を信じて自得す」とある。名簿の多くが催眠中の暗示や、御船千鶴子・長尾郁子の模倣を動機とするなかで、信仰によって自ら能力を得たとする者は、青森県西津軽郡の祈禱者川村専助など数えるほどしかいない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・1919年(大正8年))
『心霊哲学の現状』は、高橋五郎が大正八年に著した心霊研究の概説書である。英国のロッジが戦死した子レイモンドの霊と交わした冥界通信をはじめ、欧米の交霊術と霊媒の実例を訳して紹介し、日本の催眠術と千里眼の流行、御船千鶴子・長尾郁子の事件、霊光や念写までを論じる。篇と章に分け、心霊哲学とキリスト教、クリスチャン・サイエンス、淘宮術との関係や、太霊道など国内の霊術諸派も取り上げ、ところどころに評註を添える。