楢原下戸に酒三升
どんな伝承か
越後大関に打ち勝った玄蕃に、殿様は褒美のほかに酒を下そうとして、酒は飲めるかと尋ねた。玄蕃は至って下戸で申し訳ないが、折角の下賜なので一杯だけ頂戴すると答え、一升盃になみなみと注いだ酒をひと息に飲み干した。さらに一升、また一升と重ねて都合三升を空け、会津に冠たる美酒を下され、あまりの有難さに感極まって三献いただきましたとひれ伏した。これが「楢原下戸に酒三升」という言い回しのはじまりだと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説(下郷町(編)・下郷町史)
『下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説』は、会津の下郷町の町史民俗編のうち、町内の伝説を集めた第二節である。鏡沼の大蛇や二岐山のダイタンボウ、狼に食われた祖母、湯野上温泉猿湯の由来、高倉宮以仁王と桜木姫・紅梅御前の落人伝説、伊達政宗の戦の悲話、小野の長者と小野観音の金の鰐口などを収める。伝説を自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分け、各話に地名や供養塔・墓・文化財の現状を書き添えている。