晴天の庭に降る雨の正体は葉の虫
どんな伝承か
栃木県那須郡那珂村で、晴天で一点の雲もないのに庭に雨が降るという評判が伝わり、妖怪の仕業と噂されて校長が取り調べに出向いた。庭の樫の木の下に雨の降った痕があり、竿で枝を動かすと雨のようなものが落ちてきた。枝を折って調べると、葉についた虫が排泄したものだと判明した。同様の話は他地方にも見られるという。
原典より
竿をもって枝を動かせば雨のごときものが落ちてくる。—— 迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・1916年(大正5年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・1916年(大正5年))
『迷信の諸相・宗教の真相』は、井上円了が大正五年に刊行した『迷信と宗教』を、新しい題を付け現代の表記に改めて翻刻した本である。琉球・伊豆七島・壱岐対馬から北海道まで、著者が各地を巡回して見聞した犬神・人狐・河童・狐憑きなどの迷信と、怪火・天狗・幽霊・鬼門・卜筮・家相・禁厭など全国共通の迷信を挙げる。迷信の利害と原因を論じたのち宗教の真相を説き、余論に妖怪学の短編、附録に幽霊鬼神と霊魂不滅をめぐる論を収める。