蓑をかぶり子を背負うハシカ観音参り
どんな伝承か
静岡県御殿場の近辺では、赤ん坊がはしかにかからないようにと、母親が子を背負って蓑をかぶり、三月十八日の例祭にハシカ観音へお参りしたものだという。著者は、日本人は物心がつく前から親の手によってこうした呪術的な行事をくぐってきたと述べ、同じ例として名古屋の子預祭、足利の初山、瀬高の初宮参り、能勢の釜蒸し、二月堂のダッタン帽、平戸の泣き相撲などを次々に挙げている。
原典より
静岡県御殿場近辺の読者は、まだ赤ん坊のとき、おかあさんがあなたを背負ってミノをかぶり、あなたがハシカにかからないようにと、三月一八日の例祭にハシカ観音にお参りしただろう。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。