三が日に二十万本売れた石清水の破魔矢
どんな伝承か
悪いことを払いのけ、目的や幸運、進学試験に当たるようにと願う縁起物の神矢や破魔矢がよく売れる神社の筆頭は京都の石清水八幡宮で、正月三が日に一本百三十円の破魔矢をおよそ二十万本売り尽くした。二番目は鎌倉八幡の十万本で、東京の明治神宮もほぼ同じくらいだったという。著者は、元日の夜明けの電車で白い羽根の破魔矢を胸に抱いて眠り込む受験生らしい若者の写真に、ひやかすどころか涙ぐみそうになると記している。
原典より
ともかく、「悪いことを払いのける」とか「目的に当たる」「幸運が当たる」「進学試験に当たる」ようにといった縁起物としての神矢・破魔矢・守り矢の売れる神社の筆頭は、…—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。