七人の女が演じる産みのまねごと
どんな伝承か
栗原郡一迫町で行われた例が近ごろ紹介された。同じ郡の若柳町や岩手県胆沢郡あたりでは、医者・看護婦・産婆・神官・腰抱き婆・あつかい婆・箕持女の七役を分け持つ七人の女たちが、子のない家を訪ねて回る。逃げる嫁を捕まえては、身ごもった、臨月だ、もう生まれるぞと囃し立て、安産から産湯を使わせるまでの一部始終を演じてみせる。赤子の役は人形が務めた。ひとしきり騒いだ後の酒盛りのころ、嫁と夫は神棚に向かい、今やってもらったとおりに子を授かり無事に産めますようにと拝んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。