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伊勢参りをした峠の束松

所在地福島県河沼郡会津坂下町(束松峠)
年代不明(近世)
登場井関敬嗣、村人、記録者
出典会津坂下町史 1(民俗編)――伝説

どんな伝承か

束松峠の頂上には、枝が皆上の方に伸びて草箒をさかさに立てたような松があり、数多い枝の根元が束ねた形になっているので束松と名づけられ、峠の名の由来となった。昔、この束松の松葉が全部赤くなって枯れかかったことがあった。村人がたいそう心配していたところ、五十日ほど過ぎて伊勢神宮から、お松様という宛名でおふだと礼状が届いた。そんな女もおらず、伊勢参りをした者もいないので不思議に思っていると、束松にだんだん緑色が出てきて、やがて元のような色の松となった。それで村人は、束松が伊勢参りをして来たのだと判断した。そのころ参宮には往復五十日はかかったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史)

『会津坂下町史 1(民俗編)――伝説』は、会津坂下町の町史民俗編のうち、第二十章「伝説」を収めたものである。高寺山の黄金千杯、佐原・栗村の水田開発、交通路、空也・徳一、神仏、地名、雨ごい、狐、笑い話・逸話、妖怪変化、部落の起源、人物にまつわる町内の伝説を集める。冒頭で伝説の意義と自然・歴史・信仰の三分類を述べ、主題別の節に分けた各話の末尾に話者と、井関敬嗣・薄嘉明ら執筆者の名を記す。

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