津尻の森に立つおぼこだきの石塔
どんな伝承か
宇内の四ッ谷から津尻の村南に出て、山の根岸を旧河川に沿って下ると長井に出る。宇内を過ぎると両側は杉の大木がそびえ、真昼でも一人歩きが気味悪い森の一本道であった。さつきのころ、夜遅くここを通りかかった下級武士の前に、髪を乱した若い女が子を抱いて現れ、髪を結う間だけ子を抱いてくれ、泣かせたら命はないと言った。武士は子を外に向けて抱き、羽織の紐を解いて遊ばせた。抱いた子は石のように重かったという。女は髪を結い終えると厚く礼を述べ、闇に消えた。武士はのちに立身出世した。おぼこだきの出た場所には津尻が供養の石塔を建てたが、先年の開田の際に部落のすぐ南へ移した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。