トップ > 岩手県の伝承 > 北上市

羽端の沼から隠れ里へ行った男

所在地岩手県北上市鬼柳町
年代伝承
登場扇田甚内、沼の女、関合隼人、隣家の男
出典農民俚譚

どんな伝承か

鬼柳村の扇田甚内が或る朝、南の羽端の上に若い女が立って手招きするのを見た。数朝続いたので沼のほとりに出向くと、女は夫婦の約束があると言って甚内を伴い、二三十歩行くと見たこともない美しい世界に出た。女たちに主と敬われて暮らしたが、故郷の妻子が忘れられず、他言せぬ約束で帰った。家では三年が経ち、親類が集まって自分の法事をしている最中であった。後に女房に責められて実を明かすと、言い終わるや腰が折れて気絶し、不具となって貧しい一生を送ったという。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

農民俚譚(佐々木喜善(著)・本山桂川(編)・佐々木喜善・東北民俗・1934年(昭和9年))

『農民俚譚』は、佐々木喜善が書きためた昔話や伝説を、その没後に本山桂川が編んで昭和九年に刊行した本である。陸中の和賀郡・岩手郡・胆沢郡で集めた炭焼長者や瘤取爺などの昔話に、河童・山男・山女・人柱・蛇にまつわる伝説、地蔵の話、異類に嫁ぐ女の話を記した「縁女綺聞」、紫波郡の口碑による「鳥蟲木石伝」などを収める。郡ごとの昔話には大正十三年の日付の前書きが付き、巻末に本山桂川の追想「佐佐木喜善君の遺業と其晩年」を置く。

種別から探す

隠れ里

北上市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『農民俚譚』の伝承