鰐鮫の腹から生還した医者
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どんな伝承か
乗合の船が突然動かなくなったので、船頭は、鰐鮫が客の誰かを見込んだためだと言い、めいめい持ち物を一つずつ海へ投げさせた。ゲンナさんという医者の投げた手拭だけが引き込まれるように沈んだので、ゲンナさんは一同の難儀を救うためと覚悟し、薬箱を肩に掛けて飛び込み、鰐鮫の腹中に呑まれた。腹の中で一番苦い薬を取り出して一面に塗りつけると、鰐鮫は嘔吐を催して吐き出した。渚での祝いの酒盛りで踊り歌うと、海から鰐鮫が顔を出して罵ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
農民俚譚(佐々木喜善・佐々木喜善・東北民俗・大正)
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正期に郷里岩手で採集した昔話・伝説・世間話の集成。和賀郡・岩手郡・胆沢郡・紫波郡の各地に伝わる口承を網羅する。
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