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手をつけてはならぬ姥沢の姥石

所在地岩手県紫波郡紫波町土舘姥沢(姥石)
年代伝承
登場姥石、松森甚兵衛、佐久間幸之助、村の豪家、石工、報告者
出典農民俚譚

どんな伝承か

紫波郡志和村の西境の山々の中に姥沢という深谷があり、その沢に姥石という巨石があって、里人は昔から誰も手をつけてはならぬと言い伝えていた。或る時、村の豪家が土蔵を建てる石材にこの姥石を割ることになり、松森の甚兵衛という名工が正月八日に一人で沢へ入った。たがねをかけて割り始めると、晴天が俄かに掻き曇って大雷雨となり、黒雲の中から大きな手が現れて甚兵衛を三度大地に叩きつけた。丈一丈余りの赤衣の大男を見て気を失い、村へ逃げ帰った甚兵衛は、間もなく病んで死んだという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

農民俚譚(佐々木喜善(著)・本山桂川(編)・佐々木喜善・東北民俗・1934年(昭和9年))

『農民俚譚』は、佐々木喜善が書きためた昔話や伝説を、その没後に本山桂川が編んで昭和九年に刊行した本である。陸中の和賀郡・岩手郡・胆沢郡で集めた炭焼長者や瘤取爺などの昔話に、河童・山男・山女・人柱・蛇にまつわる伝説、地蔵の話、異類に嫁ぐ女の話を記した「縁女綺聞」、紫波郡の口碑による「鳥蟲木石伝」などを収める。郡ごとの昔話には大正十三年の日付の前書きが付き、巻末に本山桂川の追想「佐佐木喜善君の遺業と其晩年」を置く。

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