胆吹山の石を持ち帰った医者宅への投石
どんな伝承か
江州大津の医者・祐慶は胆吹山から薬草と盆石を持ち帰り、草は庭に植え石は床に置いた。するとその夜から家に何者かが石を打ちつけはじめ、朝ごとに十四、五個の石が溜まり、後には砂まで降った。祐慶は狐狸の仕業かと構わずにいたが、訪れた胆吹山の村人に尋ねると、持ち帰った品々を山神が惜しんでいるためだろうと言われた。村人に託して薬草と盆石を山へ返させると、怪異はやんだという。
原典より
祐慶は狐狸の所爲と考へて騒がないでをつたが、それから毎晩打つので、朝毎に石が十四五づつ溜つて置所に困って空地を掘って埋めるといふ騒ぎになった。—— 心霊学講義(変態心理学講義録)(小熊虎之助(述)・日本変態心理学会・心霊学・変態心理学) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊学講義(変態心理学講義録)(小熊虎之助(述)・日本変態心理学会・心霊学・変態心理学)
『心霊学講義(変態心理学講義録)』は、文学士小熊虎之助が述べ、東京の日本変態心理学会が出した心霊学の講義録である。心霊研究の態度と詐術の例から説き起こし、こっくりさんなどの自働現象、精神感応、交霊、透視と未来の予知、心霊物理現象、騒ぐ幽霊を、英国の心霊現象研究会の調査例や講者が盛岡で確かめた事例を引きながら心理学の立場から論じる。終章で長尾夫人や三田光一の念写を検討し、巻末に内外の参考書解説を付す。