北上川に沈む雄蛇の蛇石
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どんな伝承か
黒岩の北上川の流れに蛇石というものがあり、水中に蟠って往来の船を難儀させる。伝えによれば、昔、五大堂の知空法印が置いた美しい稚児を、境内に久しく住む大蛇が取って食った。法印は怒って七日七夜の降伏の祈祷を修した。六日目の夜、青ざめた男が現れて罪を詫び、当山を仏法繁昌の地にすると掻き口説いたが、法印は答えなかった。その夜から大風雨となり、大蛇は雌雄二匹で池を出て北上川に入った。雄蛇は呪縛の責めを受けて流れ下り、黒岩の里の辺りで振り返ったまま石と化した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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