蛇石峠で車窓に張りつき身の上を語る女
どんな伝承か
静岡県南伊豆町の蛇石峠周辺でのできごと。マーガレットラインの崖崩れで通行止めとなり、蛇石の集落から山道に入った文屋さんの車の窓に、髪を振り乱した女がぴったりと張りついた。女は「鹿児島で生まれ、集団就職で東京に出た」と、脳に直接響くような声で身の上話を語りかけてくる。あっち行けと叫んでも消えず、伊浜の村に着くころにようやく姿が見えなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
水辺の怪談2(水辺の怪談シリーズ)
『水辺の怪談2』は、釣り人たちが釣り場や釣り宿で出会った怪異を、本人の筆で綴った体験記を集めた本である。伊豆半島や南紀の磯、黒部峡谷、芦ノ湖、中禅寺湖、北海道の渓流などを舞台に、金縛り、女の霊、謎の足音、自殺のあった場所の怪などを、釣りの様子とともに語る。「海の章」と「川・湖の章」に分かれ、各編の冒頭に筆者の住まいや職業、得意な釣りを記した紹介を置く。