花岡の桜の大木の祟り
どんな伝承か
花岡では、庭に桜の大木を植えることを忌んだ。桜の字が木と貝と女から成っているため、植えるとその家の女にさわりがあるというのである。佐久町内では庭木の禁忌が各地にあり、大日向や高野町では蛇や蝮が集まるとして山椒を、余地・高野町では墓に植える木だとして榧や木蓮を、平林・曽原・上区ではもめ事が起こるとして樅を、平林・上区では火事になるとしてじなし(くさぼけ)を、下海瀬では花が下がって家運が下がるとして藤を忌んだ。花岡の桜もその一つに数えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌)
『佐久町誌 民俗編――俗信』は、十石峠から横岳に及ぶ佐久町の町誌のうち、町内の俗信を扱った民俗編の一部である。大日向・余地・高野町・上区・花岡など各地区で採集した天候や作柄、火事や死の予兆、夢と縁起、易者や戸隠神社の御籤による占い、厄病よけや雷よけのまじない、死や産にかかわる忌み、ものもらいの民間療法などを記す。予知(予兆)・占いと呪い・物忌み・民間療法の節に分け、項目ごとに地区の言い伝えを地区名とともに並べる。