ミソカヨウの呼び声
どんな伝承か
佐久町上区では一月三十日、大日向では一月三十一日に山へ行くと、「ミソカヨウ」と声をかけられるという。木内和太郎氏の父君は、明治二十年ごろの秋、共有林へボヤを取りに行き、暗くなってボヤを馬につけて下ってきた。山の神という所まで来ると、いつも決まったように「アニーアニー」と呼ぶものがあり、背すじが寒くなって、馬の顔にからだをすりつけるようにして下ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌)
『南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話』は、長野県南佐久郡の郡誌民俗編から、第十三章「伝説と歌謡」の昔話・伝説・世間話の部分を収めたものである。郡内に伝わる鳥呑み爺や古屋のもりなど十一話の昔話、離山・白駒の池・おかんばあさんなどの伝説、光り物・あずきとぎ・天狗・かっぱ・狐火・家つき童子などの世間話を集める。伝説の後半には藤沢衛彦編『日本伝説叢書・信濃の巻』から佐久に関わる話を原文のまま引き、世間話は話題ごとに体験談を並べる。