尾を凍らせて切れた猿の魚とり
どんな伝承か
魚とりの名人のかわうそが、昼に獲った魚を夜に囲炉裏で炙って食べていた。何も獲れない猿が毎晩やって来てはご馳走になり、明日の晩は自分がもてなすと言うが、行ってみるといつも鼾をかいて寝たふりをしている。何度も騙されて腹を立てたかわうそは、凍てつく晩に尾を川に入れ、動かなくなるまで待って引き上げれば魚がたくさん付いてくると教えた。猿は喜んで川へ行き、尾を水に浸して待った。やがて尾が動かなくなり、掛かったと思って引っ張ったが抜けず、猿の尻尾しみついたと唱えて引くうち、尾は切れてしまった。それから猿の尻尾は短くなったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗))
福島県南郷村(奥会津)に語り継がれた方言による昔話三十一話と伝説十六話を網羅する。昔話はきのこの化け物・食わず女房・三枚のお札・笠地蔵・桃太郎・猿婿入り・ほととぎすの姉妹・人喰い鎮守・天女の羽衣・羅生門の鬼など、語り手(和泉田の五十嵐ヤスら各集落の伝承者)を明記して収める。