尾を凍らせて切れた猿の魚とり
どんな伝承か
魚とりの名人のかわうそが、昼に獲った魚を夜に囲炉裏で炙って食べていた。何も獲れない猿が毎晩やって来てはご馳走になり、明日の晩は自分がもてなすと言うが、行ってみるといつも鼾をかいて寝たふりをしている。何度も騙されて腹を立てたかわうそは、凍てつく晩に尾を川に入れ、動かなくなるまで待って引き上げれば魚がたくさん付いてくると教えた。猿は喜んで川へ行き、尾を水に浸して待った。やがて尾が動かなくなり、掛かったと思って引っ張ったが抜けず、猿の尻尾しみついたと唱えて引くうち、尾は切れてしまった。それから猿の尻尾は短くなったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。