早起きの爺が橋の下で見つけた金がめ
どんな伝承か
正月一日の朝、早起きの爺が囲炉裏に当たっていると、小さな子供がやって来て、履物脱ぎ場まで来ては戻ることを繰り返す。声をかけても同じなので後を追うと、子供は村の上の端から川へ下り、橋の下あたりで見えなくなった。探していると危ないぞ、流れるぞと怒鳴る声がする。あたりを見回すうち、橋の下に大きな甕が吊り下がっているのを見つけた。一人では無理なので村人を呼んで甕を下ろし、蓋を取ると大判小判がざくざく出てきた。爺は村中で分けようと言い、村人は爺に授かった金だと譲り合った末、手伝った者に日当を出し残りは爺のものとなった。早起き千両というのはこのことだという。
原典より
木伏・平野トヨノむかし昔、あるところに嫁と姑が仲良くくらしてやったど。—— 南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。