和尚を呼びに行けぬぐずの粗相
どんな伝承か
爺と、ぐずという名の孫が住んでいた。母の念仏の日、和尚を呼びに行かされたぐずは、木に止まった鳥に向かって口上を述べ、鳥は鳴いて飛び去った。爺に鳥だと言われて出直すと、今度は牛に向かって言い、また帰ってきた。呆れた爺が自分で寺へ行き、ぐずには飯を炊かせた。飯がぐずぐずと音を立てるので、ぐずは自分が呼ばれていると思って何度も返事をし、うるさいと言って灰をふりかけてしまった。爺は困り、今度は天井から酒桶を下ろすから桶の下を掴んでいろと言いつけた。ぐずは自分の尻を掴んでいたので、爺が手を離すと桶は落ちて底が抜け、酒はこぼれてしまった。それでもぐずはしっかり掴んでいると答えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。