和尚を呼びに行けぬぐずの粗相
どんな伝承か
爺と、ぐずという名の孫が住んでいた。母の念仏の日、和尚を呼びに行かされたぐずは、木に止まった鳥に向かって口上を述べ、鳥は鳴いて飛び去った。爺に鳥だと言われて出直すと、今度は牛に向かって言い、また帰ってきた。呆れた爺が自分で寺へ行き、ぐずには飯を炊かせた。飯がぐずぐずと音を立てるので、ぐずは自分が呼ばれていると思って何度も返事をし、うるさいと言って灰をふりかけてしまった。爺は困り、今度は天井から酒桶を下ろすから桶の下を掴んでいろと言いつけた。ぐずは自分の尻を掴んでいたので、爺が手を離すと桶は落ちて底が抜け、酒はこぼれてしまった。それでもぐずはしっかり掴んでいると答えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗))
福島県南郷村(奥会津)に語り継がれた方言による昔話三十一話と伝説十六話を網羅する。昔話はきのこの化け物・食わず女房・三枚のお札・笠地蔵・桃太郎・猿婿入り・ほととぎすの姉妹・人喰い鎮守・天女の羽衣・羅生門の鬼など、語り手(和泉田の五十嵐ヤスら各集落の伝承者)を明記して収める。