継母に島流しされた初太郎と鳩
どんな伝承か
初太郎は幼いころ母を亡くし、父と二人で暮らしていた。寂しかろうと父が買ってきた鳩をよく馴らして飼っていた。八つのころ父が後添えをもらったが、継母は初太郎を憎み、父が遠くへ稼ぎに出ている間に四角い箱に押し込めて島流しにしてしまう。箱を追って飛んだ鳩が八丈ヶ島に流れ着いた箱をつつき破り、初太郎を助け出して豆をくわえて運び、食べさせた。初太郎は父に宛てて助けを求める手紙を書き、鳩に運ばせた。知らせを受けた父は村中の人を呼び、酒宴の場の真ん中で箱の釘を抜いて息子を出してみせた。そして継母をその箱に入れて島流しにしたが、咎める者は誰もいなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗))
福島県南郷村(奥会津)に語り継がれた方言による昔話三十一話と伝説十六話を網羅する。昔話はきのこの化け物・食わず女房・三枚のお札・笠地蔵・桃太郎・猿婿入り・ほととぎすの姉妹・人喰い鎮守・天女の羽衣・羅生門の鬼など、語り手(和泉田の五十嵐ヤスら各集落の伝承者)を明記して収める。