継母に島流しされた初太郎と鳩
どんな伝承か
初太郎は幼いころ母を亡くし、父と二人で暮らしていた。寂しかろうと父が買ってきた鳩をよく馴らして飼っていた。八つのころ父が後添えをもらったが、継母は初太郎を憎み、父が遠くへ稼ぎに出ている間に四角い箱に押し込めて島流しにしてしまう。箱を追って飛んだ鳩が八丈ヶ島に流れ着いた箱をつつき破り、初太郎を助け出して豆をくわえて運び、食べさせた。初太郎は父に宛てて助けを求める手紙を書き、鳩に運ばせた。知らせを受けた父は村中の人を呼び、酒宴の場の真ん中で箱の釘を抜いて息子を出してみせた。そして継母をその箱に入れて島流しにしたが、咎める者は誰もいなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。