龍宮へ誘われた猿と背を裂かれた亀
どんな伝承か
竜宮城の乙姫が病になり、猿の生き肝を食べなければ治らないということになった。亀が陸へ上がり、竜宮へ案内すると言って浜辺の猿を背に乗せ、連れて行った。猿は酒やご馳走をふるまわれて毎日過ごしていたが、ある日、出刃包丁を懸命に研いでいる河豚に出会い、訳を尋ねると、乙姫の薬に猿の生き肝を取るのだと教えられた。猿は急に泣き出し、生き肝は日本に干してきたが大雨で駄目になると言ったので、亀の背に乗って陸へ戻された。岸に着くと猿は騙したなと怒り、亀の甲羅を掻きむしって滅茶苦茶にした。竜宮へ帰った亀の背を乙姫が縫って直してやったので、亀の背は今も亀甲の形をしているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗))
福島県南郷村(奥会津)に語り継がれた方言による昔話三十一話と伝説十六話を網羅する。昔話はきのこの化け物・食わず女房・三枚のお札・笠地蔵・桃太郎・猿婿入り・ほととぎすの姉妹・人喰い鎮守・天女の羽衣・羅生門の鬼など、語り手(和泉田の五十嵐ヤスら各集落の伝承者)を明記して収める。