龍宮へ誘われた猿と背を裂かれた亀
どんな伝承か
竜宮城の乙姫が病になり、猿の生き肝を食べなければ治らないということになった。亀が陸へ上がり、竜宮へ案内すると言って浜辺の猿を背に乗せ、連れて行った。猿は酒やご馳走をふるまわれて毎日過ごしていたが、ある日、出刃包丁を懸命に研いでいる河豚に出会い、訳を尋ねると、乙姫の薬に猿の生き肝を取るのだと教えられた。猿は急に泣き出し、生き肝は日本に干してきたが大雨で駄目になると言ったので、亀の背に乗って陸へ戻された。岸に着くと猿は騙したなと怒り、亀の甲羅を掻きむしって滅茶苦茶にした。竜宮へ帰った亀の背を乙姫が縫って直してやったので、亀の背は今も亀甲の形をしているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。