ぬかあぶくを助けた亡き母の玉
どんな伝承か
ある村の夫婦に女の子が生まれたが、母は産後の肥立ちが悪く死んだ。後妻にも女の子が生まれ、姉はぬかあぶく、妹はあわあぶくと名づけられた。後妻は姉を疎み、夜は籾糠に寝かせ、妹は米の中に寝かせた。秋の栗拾いには妹に新しい籠、姉には底の抜けた籠を持たせ、いっぱいになるまで帰るなと言いつけた。日が暮れても拾い続ける姉のもとへ光るものが飛んできて、亡き母だと名乗り、籠の穴を藤蔓で繕い栗を拾ってくれたうえ、望む物が出る玉を授けた。村芝居の日、姉は玉で着物を出して美しい姿で見物し、殿様の目に留まった。継母は妹を推したが、歌を詠ませて姉が選ばれ、姉は城で幸せに暮らしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗))
福島県南郷村(奥会津)に語り継がれた方言による昔話三十一話と伝説十六話を網羅する。昔話はきのこの化け物・食わず女房・三枚のお札・笠地蔵・桃太郎・猿婿入り・ほととぎすの姉妹・人喰い鎮守・天女の羽衣・羅生門の鬼など、語り手(和泉田の五十嵐ヤスら各集落の伝承者)を明記して収める。