疫病神を送って死んだ婆さん
どんな伝承か
和泉田に、村のことや他人の噂をしては憎まれ口をたたき、村人から嫌われていた婆さんがいた。頭を男のようにザンギリにした一風変わった婆さんでオシズといい、シズボーズ婆さんと呼ばれていた。和泉田では旧二月八日をメケイ八日、旧十二月八日をトウシ八日といい、朝、メケイに唐辛子で人の顔を似せて家の入口に吊るしておくと、一つ目の疫病神が自分より目が多いと恐れて通り過ぎるといわれた。婆さんは面倒だといって、旧二月八日の早朝、小豆飯も食べずに村の端から端まで疫病神が通るぞと叫んで隣村へ送った。ところがその夏、腸チフスにかかって死んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗))
福島県南郷村(奥会津)に語り継がれた方言による昔話三十一話と伝説十六話を網羅する。昔話はきのこの化け物・食わず女房・三枚のお札・笠地蔵・桃太郎・猿婿入り・ほととぎすの姉妹・人喰い鎮守・天女の羽衣・羅生門の鬼など、語り手(和泉田の五十嵐ヤスら各集落の伝承者)を明記して収める。