山姥岩で投げ飛ばされた道楽息子
どんな伝承か
旧南郷村の東で語られた話。ある村に、博打ばかり打って仕事もせず遊んでいる道楽息子がいた。春のぽかぽかと暖かい日、頼まれて山仕事に出たものの、こんな上天気に働いていられるかとばかりに、山姥岩と呼ばれる場所で昼寝を始めた。気持ちよく眠っていると、何者かにえいと持ち上げられ、そのまま山の入口のきんにょうの上まで放り投げられてしまった。息子は仰天して家まで逃げ帰った。遊んでばかりいるので天狗が腹を立てて投げ飛ばしたのだと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。