機を着せた地蔵が運んだ正月の宝
どんな伝承か
よざえもん夫婦は貧しく、昼も夜も一生懸命に働いていた。正月が近づき、婆様が織った機をよざえもんが店へ持って行き、米や味噌と替えてくることになった。ところが途中で雪だらけになった地蔵に出会い、あまりに気の毒だったので雪を払い、持っていた機を頭からぐるぐる巻きつけ、ぼろ笠をかぶせて帰ってきた。訳を聞いた婆様も喜び、二人は漬け菜湯を飲み、むしろを敷いて寝た。夜明けごろ、ヤンサヤンサと音がして「よざえもんのうちはここか」という声が近づき、やがてやんだ。朝、戸を開けると米や味噌、油、反物、醤油や酒が山と積まれていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。