雷神の爪を残した法泉寺の雨乞不動
どんな伝承か
大岩田の法泉寺は霞ヶ浦を見渡す高台に立つ寺で、本尊の蓑笠不動明王は雨乞いに霊験があることで知られる。この像は弘法大師の作とされ、大師が京の神泉苑で雨を請う大法を修したとき、蓑笠を着せて護摩壇に据えると雷雲が湧き、三日三晩雨が降ったと伝わる。応永三十三年、関東が大日照りに見舞われると、九代目の祐雲阿闍梨が雨乞いの大祈祷を行った。満願を待たずに雷神が雷鳴とともに降りてきて、明王の笠を奪おうとした。明王が厳かに声を発し、右手の剣から光を放つと、雷神はその光に打たれて足の爪と雨袋の緒を断たれ、雨をどっと降らせた。雨は三日三晩続き、その爪は「カシャの爪」として今も寺に伝わるという。
原典より
ところが満願日に至らないのに、雷神が雷をならしながら降りてきて、不動明王のつけた笠を奪い去ろうとしました。—— 土浦市史 民俗編――伝説(土浦市(編)・土浦市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
土浦市史 民俗編――伝説(土浦市(編)・土浦市史)
『土浦市史 民俗編――伝説』は、市史の民俗編のうち第一節「土浦の伝説」と第二節「ことわざ」の冒頭を収める。首洗い井戸、狐の嫁入りや化かされ話、宍塚大池の大蛇、佐野子のカッパの手、弘法大師の石いもと照井、大聖寺の竜の爪、如宝寺の木食上人の入定など、市内の地名・寺社・池にまつわる伝説を、古老の話や市報・ふるさと運動の調査・資料館の調査・『東村誌』から引いて記す。各話に見出しを立て、ことわざは天候・動物などの題目ごとに番号を付けて掲げる。