狐・ムジナに化された話
どんな伝承か
塩原では、むじなの話がいくつも語られている。提灯を提げて便所へ行こうとすると、便所を通り越して階段の方へまっすぐ進んでしまい、土手から落ちる寸前まで連れて行かれた。むじなが提灯の蠟燭を食べるのだという。またむじなは人に化けず、しゃべっているような声を出す。終戦後、川で土方が石運びをしていたころ、むじなは土方の糞や捨てた弁当を食べに来た。あるとき子どもが騒ぐような声がしたが、子どもの遊ぶ場所とは違う方向なので大きな石を投げたところ、声がやんだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大間々町の民俗――伝説・怪異(群馬県民俗調査報告書 第19集・群馬県民俗調査報告書)
『大間々町の民俗――伝説・怪異』は、群馬県民俗調査報告書の第十九集『大間々町の民俗』のうち、口頭伝承の部である。大間々町の神梅・桐原・塩原・小平などで聞き取った、赤堀道玄の娘や伊勢ころがし、腰掛石、念仏石などの伝説、スズメとツバメや猿婿、蛙と猿の餅競争などの昔話、狐の嫁入り・むじな・河童・人魂・山犬・あずきとぎの怪異を収める。伝説・昔話・怪異・命名・諺と方言の五つに分け、冒頭に調査者の所見を置き、話ごとに採集地を添える。