鍋をご神体とする社と八槻様
どんな伝承か
八槻様は丹下にあり、「百姓の神」「農家の神」といわれる。祭日は旧暦十一月一日で、よそからの参詣もあって大変賑わい、餅を供える際には前に供えた人の餅と取り替えたという。御鍋神社は二岐からかなり奥まった山中にあり、社名はご神体が鍋または釜であったことによる。平将門の家臣永井平九郎が天皇から将門に下賜された宝の釜を携えて逃れ、二岐山の麓に隠れたという伝承と、将門滅亡ののち孫姫の桔梗の前が一族と二岐に逃れ、節句の幟を目印に追討されて皆殺しにされた際、残った鍋を祀ったという伝承が伴っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。