頭がよくなるという祭りの供え餅
どんな伝承か
白子の鎮守である板宮神社の祭りでは、神前に御神酒や野菜とともに二重ねの供え餅を上げる。この餅は宵の日に神社総代がついたものである。祭りが済むと、総代が餅を氏子の数だけ切り分ける。氏子はその一片と神札を受け取って家へ持ち帰り、神棚に供えて拝んだうえで食べた。この餅を口にすれば脳をわずらうことがなく、風邪も引かないという。頭がよくなるともいわれ、子供は家族の分まで食べたと伝えられる。祭りの世話は今坂・中屋敷・太多良の各屋敷から選ばれた三人の総代が務めた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。