目を射られた兄弟神と松の禁忌
どんな伝承か
大平にある御霊神社は鎌倉権五郎を祀るという。祭日は旧暦九月十五日で、神主が来てオキリカエが行われる。伝えによれば、大平の神と羽鳥の神は兄弟であったが、あるとき財産をめぐって争いになった。兄である大平の神は松の木に登ったところを射られて目を傷つけ、弟の羽鳥の神はクズの蔓で目をつぶした。そのため大平では松が、羽鳥ではクズが禁忌とされている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。