遠い町に届く雨夜のジェット音
どんな伝承か
雨の降る夜、羽田空港でジェット機がエンジンをふかすと、空港のまわりではさほど響かないのに、遠く離れた杉並区あたりで轟音となって鳴りわたることがある。住民は驚いて電話をかけ、騒ぎ立てたという。音の伝わり方と土地の条件がたまたま噛み合ったとき、離れた場所でだけ怪音として届くらしい。雨の夜に限って起こるというこの現象も、江戸のころであれば七不思議のひとつに数えられていただろうと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・1985年(昭和60年))
『妖怪の民俗学――日本の見えない空間』は、宮田登が一九八五年(昭和六十年)に著した、妖怪の現れる場所を論じた民俗学の書である。柳田国男と井上円了の妖怪論、幽霊と妖怪の違い、口裂け女と産女、皿屋敷、化物屋敷と下女、辻・橋・境の怪異、怪光と怪音、七不思議、通り悪魔と髪切りを、古文献や新聞記事、各地の伝承から読み解く。四章から成り、都市の空間に妖怪が現れる仕組みを軸に据える。