名古屋妖怪屋敷・消える下駄
どんな伝承か
明治二十九年ごろ、名古屋市下萱津町の妖怪屋敷に住む河野中佐邸で、下女が「他人の出入りするはずのない路地に、見知らぬ人の下駄が脱ぎ捨ててある」と告げた。中佐が証拠として持ってくるよう命じたが、下女が戻ると、五分前まであったはずのその下駄はどこにも見当たらなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・1985年(昭和60年))
『妖怪の民俗学――日本の見えない空間』は、宮田登が一九八五年(昭和六十年)に著した、妖怪の現れる場所を論じた民俗学の書である。柳田国男と井上円了の妖怪論、幽霊と妖怪の違い、口裂け女と産女、皿屋敷、化物屋敷と下女、辻・橋・境の怪異、怪光と怪音、七不思議、通り悪魔と髪切りを、古文献や新聞記事、各地の伝承から読み解く。四章から成り、都市の空間に妖怪が現れる仕組みを軸に据える。