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井戸の蓋に載せられた怨念石

所在地東京都墨田区菊川三丁目
年代明治年間〜昭和二年
登場旗下夫妻と婢、石屋、山崎、水村、追善供養を勧めた日蓮宗の信者、経をあげた日蓮宗の導師
出典日本怪談実話

どんな伝承か

本所の菊川町三丁目に、住むと必ず誰かが病むという古い借家があり、半年ともたずに人が去るので妖怪屋敷と呼ばれていた。昭和二年の夏、家主が行者に見てもらうと、女の怨霊の祟りだという。来歴を調べると、幕末にここへ住んだ旗本が下女に手をつけ、妬んだ妻が井戸へ突き落として蓋をし、上に大きな石を載せて死なせていた。その石が庭から出たので怨念石と呼ばれ、噂を聞いて見物に来る者まで現れた。石屋が足で指し示した途端に倒れ、熱を出して足が立たなくなったこともある。日蓮宗の導師が経をあげてからは何事もなくなり、石は伊豆伊東の仏現寺へ移された。

原典より

* 墓石の戒名 (361)* 幸福の家 (362)* 商売の繁昌する家 (364)* 招く松の木 (365)* 別れに来た細君 (366)* 細君の姿が現われる (367)* 白い小犬を抱いた…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))

『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。

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