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表裏に死骸が現れる戸板返し

所在地東京都台東区浅草(中村座)
年代文政8年(1825)
登場お岩、伊右衛門、小平
出典妖怪の民俗学――日本の見えない空間

どんな伝承か

東海道四谷怪談の見せ場は戸板返しと呼ばれる。伊右衛門が流れ寄ってきた杉戸を手元へ引くと、その下から岩の死骸が浮かび上がり、両の目をかっと見開いて、うらめしや伊右衛門殿と呼びかける。慌てて戸板をひっくり返すと、裏には小平の死骸が張りついていて、薬をくれと手を差し出す。伊右衛門が斬りつけると、死骸はばらばらになって水の中へ落ちていく。浅草の中村座で掛けられ、客を沸かせた場面である。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・昭和(現代民俗学))

民俗学者・宮田登が、妖怪を『日本の見えない空間』の問題として論じた現代民俗学の名著。Ⅰ妖怪のとらえ方では、柳田国男『妖怪談義』の妖怪論(妖怪は出る場所が決まり、零落した神)と、幽霊(都市の人間関係から相手を追って出る)との区別、昭和五十四年に流行した口裂け女(受験社会で母に叱られる子供の心意の投影、『喰わず女房』の鬼女の再来)と産女、島根県松江の雲州皿屋敷のお菊、明治の井上円了の妖怪学と真怪・仮怪の分類を扱う。

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