四谷怪談を書くたび続く異変
どんな伝承か
作家の高橋克彦は、四谷怪談に関わるたび身のまわりで異変が起きたと記す。現代語訳を引き受けた折には担当編集者が危うく死ぬほどの事故に巻き込まれ、著者自身も椎間板ヘルニアと視力低下に苦しんだ。映画化の話が進むと、台本を書き直した知人と親しい女性が右の瞼の腫れに悩まされ、企画も流れた。さらに雑誌で実説の連載を始めた際、お岩稲荷への参拝を省いたところ、女性担当者の顔の右半分に原因不明の湿疹が出た。年末には飼い猫の顔も、右目を中心に毛が抜け落ちて黒ずんだ。祟りに違いないと言う知人の言葉を、いまは笑い飛ばせないという。
原典より
私は信じていやしないが、知人は祟りではないかとしきりに口にする。—— 黄昏綺譚(高橋克彦・幽霊・怪異体験・1996年(平成8年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
黄昏綺譚(高橋克彦・幽霊・怪異体験・1996年(平成8年))
『黄昏綺譚』は、高橋克彦が連載をまとめ、一九九六年七月付のあとがきを付したエッセイ集で、吉田光彦の挿絵と組んだ画文集である。著者が体験し見聞きした分身や生霊、寺での怪異、前世、UFOなどの不思議と、史料や神話に残る怪異、宮澤賢治をゴッホの生まれ変わりとみる考えを語る。「この世に幽霊はいる」「不思議な話が史料や神話に」「宮澤賢治はゴッホの生まれ変わり!!!」の三部に分かれ、巻末にあとがきと丸尾末広の解説「黄昏るペン」を収める。