火君、海中の釜地獄で古丸を見る
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どんな伝承か
日本霊異記下巻第三十五話。筑紫国の火君が死んで琰魔国に至り、大王に許されて蘇生の途につく。その途中、大海の中にある釜のような地獄で、遠江国の物部古丸が苦しむさまを知らされる。黄泉から甦った火君は大宰府にことの次第を報告するが、朝廷はこの奏上を無視し、担当官の事務引き継ぎだけで二十年が過ぎた。やがて菅野真道が申告書を見て桓武帝に奏上する。天皇が施皎僧都に問うと、人間界の百年は地獄の一日一夜にあたるゆえ、古丸の罪はまだ消えぬと答えた。天皇は憐れみ、写経と読誦で古丸の霊の苦を救った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史(山折哲雄・山折哲雄・宗教学・昭和(1976))
宗教学者・山折哲雄『日本人の霊魂観―鎮魂と禁欲の精神史』(1976年)。日本人の霊魂観念を、遊離魂・天皇霊・憑霊・鎮魂という主題で歴史的・象徴論的に考察する。序章で問題と方向を示し、第一章『遊離魂と殯』では『日本霊異記』にあらわれた霊肉の課題(魂が一日に千里をゆく遊離魂と、死者を仮安置する殯)を論じる。第二章『天皇霊と呪師』では玉躰加持の象徴儀礼を、霊魂は肉体の形相(封蠟と印型)とするアリストテレス的議論を引きつつ分析する。
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