神前の生米オセンマイの御利益
どんな伝承か
大塚町の大歳神社には、毎月一日と十五日に渡橋の八幡神社の宮司が来て、早朝に祝詞をあげる。神楽を奉納するときは、三方に盛った米を氏子総代が神主に取り次いで神前に供え、一、二時間ほどして参拝の人が来るとおろす。人々はこの米を五、六粒ほど家に持ち帰り、洗っただけの生のまま一、二粒を口にする。これを「オセンマイ」と呼び、食べると御利益があるとされ、正月や節分、麦祭りなどの折にもいただく。厄ばらいを済ませた厄年の人も、判を押した半紙に包んだオセンマイを授かるという。
原典より
オセンマイをたべると御利益があり、正月・節分・(例大祭)・麦祭りの時などにもこれをいただく。—— 島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの』は、出雲市大塚町の民俗調査報告書のうち、「XII 村の神」の章と「XIII 年中行事」の章の冒頭を収めたものである。氏神の大歳神社の祭りと由緒書、同族神・屋敷神・屋内神、札うち、講、寺、俗信、キツネに憑かれることを「サバラレル」と呼ぶ憑きもの、民間療法を、昭和五十七年ごろの聞き書きで記す。年中行事は正月準備から一月十一日の鎌初めまでで、文の途中で切れている。