二十九日に餅をつかないクノモチの禁忌
どんな伝承か
大塚町では、正月の餅を十二月二十八日から三十一日までのあいだにつく。近ごろは日曜日などをうまく使って日取りを決めるが、二十九日だけは「クノモチ」と呼んで、餅をついてはならない日とされている。つく順番も決まっていて、はじめに鏡餅、次に「チカライワイ」、最後に平餅や丸餅をつく。神仏に供える餅は「イワイ」と呼ばれる。昔は、もち米もそれぞれの家で作っていたという。
原典より
今は、日曜日などをうまく利用するが、二十九日は「クノモチ」といって餅をついてはいけない。—— 島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの』は、出雲市大塚町の民俗調査報告書のうち、「XII 村の神」の章と「XIII 年中行事」の章の冒頭を収めたものである。氏神の大歳神社の祭りと由緒書、同族神・屋敷神・屋内神、札うち、講、寺、俗信、キツネに憑かれることを「サバラレル」と呼ぶ憑きもの、民間療法を、昭和五十七年ごろの聞き書きで記す。年中行事は正月準備から一月十一日の鎌初めまでで、文の途中で切れている。