十王堂の下に納めた部落共有の葬式道具
どんな伝承か
出雲市大塚町の善哉寺は臨済宗妙心寺派の寺で、渡橋町にある観音寺の末寺として、およそ三百年前に建てられたという。境内には地蔵さんや秋葉さん、観音像と並んで十王堂が建っている。その十王堂の下にある広場には、葬式のときに用いる道具一式がしまわれていた。この道具は善哉寺の檀家だけのものではなく、どの宗派の家でも使うことができ、部落の全体で共有する持ち物とされていた。
原典より
十王堂の下の広場には葬式道具がしまってあったが、これは宗派に関係なく部落共有のものであった。—— 島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの』は、出雲市大塚町の民俗調査報告書のうち、「XII 村の神」の章と「XIII 年中行事」の章の冒頭を収めたものである。氏神の大歳神社の祭りと由緒書、同族神・屋敷神・屋内神、札うち、講、寺、俗信、キツネに憑かれることを「サバラレル」と呼ぶ憑きもの、民間療法を、昭和五十七年ごろの聞き書きで記す。年中行事は正月準備から一月十一日の鎌初めまでで、文の途中で切れている。