三猿の台座にちなむサルマチのイボ地蔵
どんな伝承か
川口市江戸袋の石塚家の地所に、耕地名をサルマチと呼ぶ一画がある。その名は、そこに祀られた地蔵の台座に見ざる・言わざる・聞かざるの三猿が彫られていたためとも、地蔵を祀る以前に猿田彦命を祀っていたためともいう。サルが「去る」に通じて縁起が悪いといわれ、婚礼の行列はかなり遠回りしてもサルマチを避けて通った。地蔵は「イボ地蔵」と呼ばれ、あたりに落ちている石を拾って疣をこするときれいに落ち、疣が取れたら借りた石に別の石を添えて返すものとされた。「子育て地蔵」ともいい、三歳になった子を参らせた。伝えでは最初は目の悪い人が祀ったもので、その下には鎧が埋まっているともいう。
原典より
疣取りの地蔵尊もあちこちにある。—— 川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史)
『川口市史 民俗編――伝説』は、川口市が編んだ市史民俗編のうち、第四章「伝説」を収めたものである。六兵塚や首塚などの塚、山・池沼・樹木にまつわる話、八百比丘尼の椿、神社・地蔵・観音・薬師の霊験、地名の由来、正月の餅を搗かない家例や蛇まつり、川口の鋳物の始まりなどを、地内の地名や家名とともに記す。自然伝説、信仰伝説、歴史伝説の三節に分け、節の中を塚・山・池沼などの項に立てる。