笠島の庚申には死出の花
どんな伝承か
笠島は漁と田畑で年中忙しい村で、組をつくっての庚申講は聞かれず、各戸がひそかに庚申の日を祝っていた。行うのは真言宗の家だけである。夕方、庚申塔に線香やおはぎ、うどんを供え、家では床の間に青面金剛の掛軸をかけ、庚申様の膳を一人前あげる。花は季節のものを立てるが、花瓶に水は入れない。したがって水を要さない、死出の花のような花を選んで供える。朝から家じゅうが精進の鍋で煮炊きをし、庚申さんは珍しいものを好むといって珍味をととのえた。庚申真言を唱え、線香と灯明を絶やさずにあげたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。