猫は魔物
どんな伝承か
平塚市旭地区の山下では、生まれた子はオブスナサマへ参りに行き、実家から華やかに出かけたものだという。その参りが済むまでは神が守ってくれないとされ、その間は猫は魔物だといった。猫が赤子をまたぐと、子が起き上がって怪我をするというのである。そのため魔除けに刀を置いた。百姓の家にも道中差しという一尺八寸ほどの短い刀があり、どの家でもそれを必ず子の枕元に置いたものだと語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平塚市史民俗調査報告書5(旭)――口頭伝承(平塚市(編)・平塚市史民俗調査報告書)
『平塚市史民俗調査報告書5(旭)――口頭伝承』は、平塚市の旭地区の民俗調査報告書のうち、第八章「口頭伝承」を収めたものである。下山下・万田・公所・山下などで聞いた昔話十五話、狐に化かされた話や狐憑き・ムジナ・神隠し・幽霊・塚のたたりなどの世間話四十一話、曽我伝説の虎御前や社寺のいわれなどの伝説十一話を収める。昔話は『日本昔話集成』『日本昔話名彙』に照らした分類表を掲げ、各話に地区名や話者名を添え、末尾にことわざといいまわしを載せる。