長尾夫人の念写実験と発病死
どんな伝承か
丸亀の判事・長尾氏の夫人である長尾夫人が透視と念写を行うことを福来博士が見出した。山川博士と藤・藤原両氏が実験を計画したが、藤・藤原が用意したものの透視は夫人の同意が得られず、両氏は山川博士の念写実験に助力した。実験では山川博士が入れ忘れた乾板の不在を夫人が「透視」で言い当て、福来博士の勝利に見えた。しかし物理学者はカバンと乾板の包みに、開けば痕跡が残る物理的仕掛けを施しており、監視を離れた約三十分間にそれが開かれたことを証明し、透視が詐術であると明らかにした。夫人は一九一一年一月十三日の実験に失敗し、一月二十六日に突然発病して同日死亡した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ニューサイエンス――科学と神秘主義(新日本出版社編集部(編)・科学論・反オカルト・1987年(昭和62年))
『ニューサイエンス――科学と神秘主義』は、新日本出版社編集部が一九八七年に編んだ論文集である。カプラやワトソンらのニューサイエンスと超能力・オカルトの流行を、科学的社会主義の立場から批判した鶴尾功・北村実・藤井陽一郎・宮原将平らの論文を、『前衛』『文化評論』などから採って収める。二部構成で、第一部にニューサイエンスの紹介と批判、第二部に非合理主義とオカルトへの批判を置き、巻末にエンゲルス『自然弁証法』からの一篇を付録として転載する。