白黒の足袋で子を探し鳥になった母
どんな伝承か
ある家で春先に豆を植えていた。子供二人を家に置いて畑に出ていたところ、いつのまにか子供がさらわれてしまった。母親は探しに出ようとあわてたあまり、白と黒の足袋を片方ずつ履いて飛び出し、「てつよ、かつよ」と呼びながら尋ね歩いた。そうしているうちに母親は鳥になってしまい、今もその鳥が鳴くという。その鳥の足が白と黒であるのは、このときの足袋によるのだと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。